横尾忠則 寒山百得展の感想

アート

初めての横尾忠則の展示回に行ってきました。

妻が歌の練習に行っている際に上野でちょっと気になったのでささっと観てきたのですが、行って良かったです。最近見た絵画展の中でも、とにかくダントツに素晴らしかったです。

本展示のテーマは、寒山百得(かんざんじっとく)という中国の伝説となっている僧二人が、何物にも縛られず自由気ままにやっている姿を描いたモチーフをコロナ禍に作り続け、当てはめた連作で、なんと大型のキャンバスで100以上も残しています。以下は公式からの抜粋です。

本展は、現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの完全新作102点を一挙初公開するものです。このシリーズは、寒山と拾得という、中国、唐の時代に生きた伝説的な2人の詩僧をテーマとしたものです。彼らはその奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、日本、中国では伝統的な画題となりました。
新型コロナウィルス感染症の流行の下、横尾は、寒山拾得が達した脱俗の境地のように、俗世から離れたアトリエで創作活動に勤しみ、まさに時空を超越し、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡りました。描き出された寒山拾得からは、めくるめく物語が紡ぎ出されています。画家活動の最大のシリーズとなる「寒山拾得」は百面相のように、観る人にさまざまな問いを投げかけることでしょう。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2598

ちなみにこちらは室町時代の寒山拾得図。

こちらは伊藤若冲のものです。

昔からよくあるモチーフなんですね。

100以上といっても、それぞれのサイズはこんな感じでかなり大きいです。

横尾さんもう80代にも関わらず、とんでもないエネルギーです。

全部撮影可能だったので、気に入ったものを撮ってきました。

このダイナミックな筆跡、何物にも縛られない自由でポップな作風、色遣い。

ミニマルな筆使いにも関わらずここまで表情がありありと描かれていて衝撃的。

ちょっとデクーニングっぽい。

スポーツをしている場面が多かった印象です。こちらは水泳(シンクロ?)から。

後ろの方にいる二人が僧ですかね?

楽しそう。水飛沫の表現が素晴らしい。

同じモチーフながら色彩や表現方法が全く異なる。表情もリアル。後ろにいるやつ顔がやばい。

トイレットペーパーとライオンとウエディング(?)。色彩が爽やかで良い。

今回の展示を見て思ったのが、この人はかなり開いてるなという感想です。

色彩もドローイングもとにかく自由。モチーフにトイレットペーパーが出てくるし、作風なんて全てバラバラ。とにかくエネルギーの限り描きまくっている。

時間がないとか、疲れて絵が描けないなんて言っていられないなと思いました。

横尾さんには長生きしてほしいです。

展示は12月末まで、東京国立博物館 表慶館(国立博物館の正面左手にある小さめの建物)にて開催しています。

ペインティングが好きな人には特におすすめです。

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