独学DIYによるシルクスクリーン【全工程】

アート

数年前に始めたシルクスクリーンですが、やっと納得のいく形で刷ることができたので、忘れないように工程を残しておきます。

ちなみに僕はシルクスクリーンはど素人で、調べたり本を読みながらここまで辿り着きました。

かなり遠回りをしました。

ネットの情報だけでなく、初めから図書館で本を借りて進めれば良かったかもしれないと思っています。やはり本の方が質のいい情報は得られますね。

また、よくネットに紹介されているtシャツくんというキットを使って始めたのもよくありませんでした。インクも、メッシュも失敗ばかりで無駄にしました。

自分で布を張って乳剤を載せて進めることを覚えた方が、今後の為に仕組みがよく分かるしコストも低く抑えられていいかと思います。

それでは工程です。そのうちそれぞれの細かいプロセスを別ページにできればと考えていますので、あくまでざっくりとした進め方とコツを残します。

版づくり

工程は大まかに分けると版作りとプリントの二つに分かれます。まずは版作りから。

木枠を作る

DIYで枠を作る場合は木枠になるでしょう。

四隅をねじでとめます。

ちなみにガチの方々は劣化のしづらいアルミの枠にボンドを使って固定する方法をとるのですが、ボンドとアイロンをつかったやり方は慣れないとゴミがスクリーンに付着したり、やり直す際にもペンキ落とし液をひつようとしたりするので、僕は使うのをやめました。

木枠にタッカーで張っています。

スクリーン紗を貼る

木枠をつくったら、その枠のサイズに合わせてテトロン紗をカットします。

写真の紗はちょっと小さかったです。大きめに使った方が失敗は少ないです。

ガンタッカーで張りました。

詳しい張り方は別ページに用意します。

ジアゾ感光乳剤を作る

世界堂で手に入る感光乳剤がこれしかなかったので、こちらを使っています。

中は2種類の容器が入っており、混ぜることで乳剤となります。

小さな小瓶に、必要なぬるま湯をいれて大きい容器に混ぜます。

茶色の小瓶には黄色いパウダーが入っています。

書いてある分のぬるま湯をいれて、それを大きい容器に移し、混ぜます。

混ざるとこの通り、黄色いペンキのような乳剤が出来上がります。

次はこの乳剤をスクリーンに塗っていきましょう。

ジアゾ感光乳剤をスクリーンに塗る

本来であればバケットという道具を使って塗っていくそうなのですが、これがあまりにも高額でして。。さらにサイズによって使い分けるとなると、かなりの大きな出費になってしまいます。

僕は堅めのシンプルなスクイージー(数百円)で伸ばしていますが、特にこれまで問題は起きていません。

端っこは後述しますがテープで目張りするので、あまり気にしなくても大丈夫です。

全面が均一な厚さになっているかどうかだけ注意してください。

暑い箇所はスクイージーで裏からこしとってしまえば大丈夫です。

塗ることが出来たら続いてドライヤーで乾かします。

放っておいて自然乾燥でも大丈夫です。

こんな感じで、乾くと透明性が上がっていくのですぐにわかります。

次は刷りたい絵柄を用意しましょう。

感絵柄を油で透けさせる

ネットや本を読むと、OHPフィルムという透明のフィルムに印刷したうえで露光させるという方法を目にします。

しかし、コピー用紙に油を塗って透かせるだけでも十分版が出来ました。

コンビニでコピーしてそのまま利用することも出来ますし、OHPフィルムはセリアのような百均にも売っていますが、割高です。

あまりこだわらない場合は普通紙でいいかと思います。

まず露光機の上に絵柄を置き。。

油を載せていきます。

油は何でもいいと思います。僕は安いキャノーラ油を使っています。

スクイージーで満遍なく伸ばせば完了です。

次に黒い紙に圧着させるというプロセスを挟みます。

黒い紙に圧着させる

このプロセスを忘れてしまい、上手く版が出来ないということが何度も起きましたので、絶対に忘れずにやってください。

僕は露光機も自作したのですが、参考にした他の方々の露光機には、ものによってはふたがついていたりしました。

なので、その人たちに倣えば暗くさえすればいいのだろうと思い上に黒い布を載せて露光してみたんです。すると、全然だめで。同じことをちゃんと重りをつけて行ったらちゃんと版ができましたので、確実に圧着させることは大事なプロセスだったんです。

それもそのはず、市販の露光機を見ると真空にして圧着させる機能を持ったものなどもありました。

露光機の制作については、また別のページを用意したいと思います。

先ほど用意した絵の上に乳剤の乾いたスクリーンを置きます。

その上から、黒い画用紙、さらにその上にスポンジを置いてください。

出来ればスクリーン全体をカバーしたいところですが、絵柄全体がかぶさってさえいれば大丈夫です。

その上に重りを載せます。

今回5キロ載せました。

これで露光の準備は完了です。

露光

それでは露光をしていきます。

太陽光でも出来るそうですが、その日の日光の強さに左右されるので、あまり再現性は良くないと思います。

そのためやはり露光機を用意し、何度かベストな露光時間を見つけるのがいいと思います。

僕の作った露光機と先ほどの乳剤の組み合わせですと、2分20秒がベストでした。

タイマーをセットし、スイッチをいれます。

露光機を切り、版を確認しましょう。

うっすらと絵柄がうつっています。

水で洗い落とす

水で版を抜いていきます。

一度水に浸し、少し版を緩くすることでスプレーの水圧でも簡単に抜けます。

関係ないところまでずるずると落ちてしまう場合は露光時間が足りていない、

逆にいくらやっても抜けないばあいは、露光時間が長すぎです。

何度か試してベストな時間を見つけ出しましょう。

ちなみにこちらのスプレーは、ダイソーでみつけた100円の園芸用のスプレーです。ペットボトルに装着することで使えます。

空気圧で水を噴射するタイプで、霧の範囲なども調整できるのでかなり推すすめです。

きれいに絵柄が抜けました。

元の絵と比較し、抜け漏れがないかを確認しましょう。

大丈夫そうです。

問題がなければ、さらに露光させてカチカチにしてしまいます。

一旦ドライヤーで乾かします。

問題なさそうなので、最後に激落ちくんで穴の部分をそっと掃除し、確実に穴をきれいにします。

(外に持ってきてしまいましたが、暗室でやったほうが良いです)

追加で焼く

追加で露光していきます。

このタイミングでは、とにかく適当に長いこと露光させています。5~15分くらいでしょうか。

完全に乾かす

版はこれで完成です。

実際にする前に、水を乾かしましょう。

一休みして畑仕事をする。

急いでいる場合はドライヤーで乾かしてしまっても良いです。

完全に乾くと、こんな色になります。

テープで補強する

裏表の四隅をマスキングテープで補強します。

これを行うことで、木枠とスクリーンの隙間にインクが入ってしまって版を汚してしまうことが減ります。

表面

裏面

版を少しだけ浮かせる為に紙を束ねて貼り付ける

こちらも、リサーチするまで知らなかったのですが版というのは基本的には、刷りたい布や紙から少し浮いているそうです。

というのもいきなりインクをぐぐぐっと版に流し込むというより、

①版にインクを入れる

②圧をかけてそのインクを布に移す

というプロセスを経て印刷するからです。

そのため、インクを版に入れていく作業を行う為には、少し浮いている必要があるのです。

今回は簡易的に、メモ用紙をまるめて枠の上下にくっつけてしまいます。

ガムテープで両面テープをつくってくっつけただけです。

刷る

いよいよ印刷していきます。

刷りたい媒体に版を載せる

版を布にのせます。

練習用の布なので、汚くてすみません。。

インクを作り、載せる

何度か目詰まりを起こしてしまったことがあるので、目詰まり防止液なるものを混ぜます。

Tシャツ君のインクはよく詰まるっぽいので僕はもう買いません。

ダイカラーというものを使っていますが、とてもいい粘度です。

穴にインクを通す

少し浮いた状態で、インクを版に通していきます。

あまり力を加えず、インクを滑らせていくイメージです。

全体にきれいにインクがいきわたっていることが目で見てもわかると思います。

では実際に刷ります。

先ほどつくったインクをまた載せます。

ついに本刷り

力を加えながら引っ張ります。

この時、角度は65度くらいをキープしながら圧をかけると良いそうです。

インク返しをする

このプロセスもとても重要なのですが、先ほどインクを版に通していくという作業を行いました。

同じことを、刷るたびに返しの作業で毎回行います。

あまり力を加えず浮いた状態で、インクを通しながらスクイージーを上部に戻していけばOKです。

こうすることで版の中にあるかすかなインクが乾いて目詰まりしてしまうことを防ぎ、次の印刷の工程も効率よく行うことが可能です。

完成!ドライヤーで乾かす

きれいに刷ることができました。

言うまでもないですが、乾く前に触ってしまうと汚れてしまうので、そっと自然乾燥させるか、ドライヤーで乾かします。

シルクスクリーンの全工程の説明は以上です。

もう少し細分化したページを用意したり、必要なもののリストを掲載するなど、常時こちらの記事は更新していけたらと思っております。

また、実践で見えてきたコツや失敗した理由なども併せて掲載できたらと思っております。

ここまで失敗続きでしたが、ポイントポイントの要領をつかんでしまえばとても楽しい作業でした。

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