この本を手に取った理由
ミニマリストの影響で色々なものを断捨離しています。
特に手放しているのが本。
もう古本屋に行くのが趣味というか癖みたいな感じなので、気づいたらとにかく本が山積みになっています。
結婚してからは収納のスペースも相手のことを考えないといけないし、やたらと考えずにモノを取り込まないようになりました。
なんで冒頭からこんな話なのかというと、僕はホラー小説ってあまり読まないんです。
高校生くらいのころは貴志祐介の小説なんかを色々読みましたが、それっきりでした。
で、この本を手にしたきっかけですが、妻が異常なくらいホラー小説が好きなんです。
ホラー映画みたいな映像物は苦手みたいなんですが、日本の怪談が好きだとか。
断捨離して自分の本を減らしても、他人のまで勝手にメルカリに出すわけにはいかない。
そして自分の持っている小説はあらかた手放してしまった。。そこで試しに手を出してみたんです。
怪談自体はそんなに怖いものはない。けど・・
前置きが長くなってしまいましたが、感想です。
結論、本自体はそんなに怖くないです。
でも、確実に自分の中の何かが書き換えられてしまい、日常生活そのものが怖くなる・・。そんな感じです。
妻から黒木あるじは怖いよ〜と脅されていたのですが、ぶっちゃけ「うわっ」と思うような怖い話は100あるうちの10個かそこらで、ほかは日常で起こったちょっとした違和感、みたいなものでした。
百物語なので、作者の黒木あるじがあつめた怪談話を淡々と載せているのですが、上手くジャンルで分けられているという感じです。
例えば、動物にまつわる怪談、田舎の方にある奇妙な言い伝え、家族関係、海外での話、などなど。
それらが上手く重なり合って100の物語になっています。
昔の日本だとよくこういうのあったんだろうな、という禁忌を犯したからばちがあたった、という話が特に印象的でした。
あとは話の中で幽霊が普通にいるんですよね。
部屋の隅っこで泣いてたり、プラネタリウムで走り回っていたり。
日常の中にぬるっと存在している。
そういう話が100個続くので、なんだか「幽霊ってのはいるもんなんだ」、という気持ちになってしまいました。
タイトルにある「ておくれ」ってそういう意味なんですかね。
少しずつ少しずつ読んでいましたが、昨日最後の20話くらいを読んだ後は一人で歯磨きに行くのが怖くなり、妻についてきてもらいました。
今年もさっそく夏がはじまりましたが、尋常ではないくらい暑いので、おすすめかもしれません。
ちなみに妻の蔵書でホラー小説が大量にあるので、そのうちまた感想を書くかもしれないです。
PS. 先日友人がそれっぽいのを原宿で見たという話を聞いたが、(生垣に半分埋まっててびくともしない長髪の女)それって本当に幽霊だったんじゃないかな。。
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