油絵講座:なぜ油絵なのか

油絵講座:なぜ油絵なのか

なぜ油絵?

日本人にとって、油絵は割とあまり馴染みがない画用具なのではないかと思います。というのもやはり日本の絵の歴史というのは、水墨画や日本画をルーツに持つため、西洋由来の油絵は道具も、描く際の脳の使い方もやはり違います。水彩画やアクリル絵の具のように、水で溶いて使うタイプのものと比べるとやはり面倒な工程も多いし汚れやすいです。しかし、油絵というのはとても長い歴史を持つ道具であり、耐久性も他の画用具と比べると桁違いです。絵の道具というものは、現在も進歩を続けてはいるものの、油絵の発明にて一度完成を迎えたと言ってもいいでしょう。このページでは、なぜ油絵を使うべきなのかという魅力について説明します。

実はとっつきやすい画材

油絵は敷居が高いもののように感じることが多いかもしれませんが、実は水彩絵の具やアクリル絵の具と違い、乾くまでにとても時間が掛かるので納得がいくまで何度でもやり直しのきく画材です。水彩は一度失敗したら取り返しのつかない、一発描きの世界です。何度も修正が出来るのですから、時間さえかければ誰でもいい作品が作れます。もちろん道具については、慣れと理解が必要ですが何度か実際に描いてみればわかっていくでしょう。このブログでも、何もわからない状態から描ける様になるよう、サポートしていきます。

油絵は表現の幅が広い

油絵は、薄く/厚く描く、筆/ナイフをつかう、光沢のある油/マットな油を使う、キャンバスのごつごつを活かす/板に描く、マチエールで質感のある/最近流行りのスーパーフラットで描く、、など、簡単に挙げただけでもこれだけの選択肢があり、アーティストによって作風が大きく違ってきます。テクノロジーの進歩した現代では、だれが写真を撮っても同じようないいものができます。しかし油絵はあなたにあった表現をさせてくれるのです。100人いれば100人の描き方が存在することでしょう。

時間をかけて一つの作品と向き合おう

みなさんインスタグラムをやっておられますか?現代においては、イメージが出来るまでのスピード、さらには質が沸点を超えてしまいました。iphoneさえあれば広告写真のような美しい刺激的なイメージを、1秒で撮影できます。1秒ですよ?AIが何億という工程を踏んで最高の画像に仕立ててくれるのです。

そんな便利なものがあるのに、なぜ絵を描く必要があるのか?油絵は、そんなスピード重視の社会において、主体や自分自身と真っ向に向かい合い、時間をかけて対話をしながら作品を作り上げていく作業です。うまくいけばいくほど、歯がゆい思いをすることもあるでしょうし、作品が出来上がるまでに途方もない時間が掛かるため、投げ出したくなることもあるでしょう。しかし、僕は油絵というのは一生をかけてでも取り掛かる価値がある行為だと思っています。自分と向き合い、己のエゴを滅して世界と向き合うことで魂が洗練されます。世界がより彩り豊かなものに感じられます。身の回りにあるささいなものや、モデルとなってくれる人物と向き合う。それにより世界の造形、そして万物はこれほど美しかったのかと再発見させてくれます。そう、世界は美しいんです。こんな世界に生まれることが出来てラッキーだなと、感じることが出来ます。それって幸福なことです。そしてなにより、自己表現をする喜びをかみしめることができます。

最後にかの有名な写真家、「マグナム」を結成したアンリ・カルティエ=ブレッソンの言葉を置いておきます。

写真は短刀の一刺し 絵画は瞑想
アンリ・カルティエ=ブレッソン

みなさんもぜひ、油絵をはじめてみませんか?

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