現代アートとは何か

現代アートとは何か

いまこの時この世界に対する何らかの反応

まず、現代アートとは何かと言うと、一言で言い表せるような明確な定義というものはされていません。

現代アーティストにとってその定義は様々だからです。
ただ、メインストリームになっている考え方というのは、「いまこの時この世界における何らかに対する反応」という点でしょう。

現代アートは、その作家が生きざまとも言えるでしょう。それは、今という時間において個人的に、社会的に歴史的に、または政治的に向き合い、反応して形にしたものだからです。

現代アートは、時折はっきりしなかったり、わかりにくかったり、人々がなかなか表向きには表現しなような、嫌な感じが伝わってくるものであったりもします。

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有名なデュシャンの泉

現代アートとはこの世界のいたるところに存在する問題や喜び、混沌に道理を通し、それらを表現する方法を見つけ出すというものです。その主題は、時折緊急なものや世界的な問題であったりしますが、とても個人的なものであったり、アートという言語そのもの(色、形、抽象)を主題にする場合もあります。または制作のプロセスそのものが主題であったり、テクノロジーや素材の新たな発明が主だったテーマであったりすることもあります。

アーティストによって独自の制作過程や素材によって表現された作品は、緊迫した雰囲気を帯びます。それはやはりアーティストそれぞれの強い思いと、この世界のリアルとが生々しく強烈な反応を起こしているからと言えるでしょう。

現代アートはソリューションではなく、問題提起

今日において、この世界には答えのない疑問がたくさんあります。例えば幸せという概念だって、100人いれば100通りの違った幸せがあるわけで、これといった簡単な定義を出すことはできないのです。

しかし、この世界における疑問や課題自体を訴えかけることはできます。現代アートでは、その疑問はイノベーティブな方法によって観察され、世の中に対して訴えかける機会、再認識される機会ををもたらされるのです。

例えば建築をアートというレンズで見通し、アートを建築というレンズで見通してみましょう。どちらも、私たちが今与えられたこの時を生活する空間を作り出し、また定義するするものです。これらを考えている今この瞬間、どちらも世界を再発掘し、体験するための媒体としての役割を果たしています。

現代アートを学び、理解するということは、この世界に存在する混沌とした疑問や課題を、自らの経験に基づいて再発見することが出来ます。そして、先人のアーティストが作り上げた作品を自分なりに解釈することができるようになるのです。そこから新たなコミュニケーション、解釈、または作品が生まれ出てくるのです。

アートとの対話

現代アートというものは、「アート」という会話における、新たな声であると言い換えることもできます。

まず理解していただきたいのは、今日活動している全てのアーティストというのは、先人のアーティストたちによって作り出された作品について論争を行ったり、見て批評をしたり、インスピレーションを引き出したり、拒絶を行った上で制作を行なっているということです。

つまりアートという会話は、先人たちが時間の経過とともに積み上げてきた告白やスタイル、アイデア、イメージ、形、そしてボキャブラリーの堆積のようなものなのです。

想像して見てください。人類史に初めて現れたラスコーの壁画は、2万年前の作品です。アートというものは、2万年以上もの会話を続け、積み上げてきたものがあるのです。

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ラスコーの壁画


先人のアーティスト達に敬意を表しつつ、今この時という瞬間を再認識し、この会話を次の世代に繋げていく。ロマンがあって、素晴らしいものだとは思いませんか?

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